むし歯
むし歯
むし歯の原因菌が出した酸によって歯が溶けてしまう(脱灰)ことでむし歯になります。私たちが検診で言うCとは、英語Cariesの略称です。進行度合いによってCO~C4まで分類され、治療法も異なります。
むし歯は、食事をした時に残った糖分をもとに、お口の中の細菌が酸を作り出し、この酸が歯を溶かします(脱灰)。人の唾液には、酸を中性にしたり(中和)、洗い流したり、溶かされた歯を修復したり(再石灰化)する働きがありますが、一度脱灰と再石灰化のバランスが崩れますと、修復が間に合わず、進行してしまいます。
以上の3つの要素に加えて、「4.時間の経過」も重要です。 ダラダラ食べたり、長いこと歯磨きをせず放置すると、むし歯の原因菌の出す酸により脱灰が進み、治療が必要となります。
C0初期のむし歯
穴が開いておらず歯の表面が着色程度の状態。基本的には削るような治療はせず、適切な歯磨きなど歯の再石灰化を促せば治癒できるケースもあり、経過観察を行います。
Caries Observationの略称です。
C1歯の表面までのむし歯
歯の表面のエナメル質がわずかに溶けている状態。まだ痛みもなく、定期検診で見つけることができた場合、早期に対応できます。むし歯を取り除いた後、セメントあるいはレジンで詰める簡単な治療で済むことが多いです。
ほとんどの場合麻酔は必要ありません。
C2歯の内部まで進行したむし歯
歯の表面のエナメル質の内側にある象牙質にまでむし歯が進んだ状態。「冷たいものがしみる」「食事をするとものがつまる」「穴が開いた、歯が欠けた」といった症状で気づくことがあります。むし歯を取り除いた後、削った大きさに合わせて詰め物や被せ物で治療します。神経に近い場合もありますが、第一優先は神経の保存を考えます。
症例によりますが、麻酔が必要となります。
C3神経まで進行したむし歯
むし歯が歯の内側の神経まで達した状態。「冷たいものがしみる」「噛んだとき痛む」「何もしなくても痛い」といった症状が加わり、後に激しい痛みに変わります。ここまでむし歯が大きくなると、むし歯の部分を削るだけでなく、神経を取り除く治療を行い、被せ物で治療します。第一優先は神経の保存を考えますが、上記の症状の緩和が見られなければ神経を取り除く治療が必要となります。
ほとんどの場合麻酔は必要となります。
C4歯冠が大きく失われた歯
歯の見えている部分(歯冠)がほとんど溶けてしまい、むし歯が歯根まで到達した状態。このような状態になると歯を残すことが厳しく、抜歯となることがあります。症例によりますが、まずは保存を第一に治療を試みさせていただきます。ただし、予後悪ければ相談のもと抜歯となる可能性があることはご了承ください。
MI治療とはできるだけ歯を削らない治療方法です。Minimal Intervention(最小の侵襲)の略で国際歯科連盟によって唱えられた概念です。
出来るだけ歯を削らず、出来るだけ神経を取らず、生まれもった歯を出来るだけ残して、歯の寿命を長くすることをコンセプトとしています。歯は一度削ってしまうと、元に戻ることはありませんから、できるだけ治療でもダメージを与えないことが大切と考えています。
ただし、MI治療はむし歯が進行しすぎると行えないケースも少なくありません。削らなくて済むような段階で治療を行うためにも、定期検診が必要です。(年に1度は口腔内をパノラマレントゲン写真で確認する場合もございます。)